トゥールーズ市内校幼稚園クラスは、毎週土曜日、年齢や発達により3クラスに分かれて授業を行っています。

 

 

幼児たちの学習で何より大切なのは楽しむこと!

五感や身体を使ったアクティビティを通し、言葉の「感覚」を育み文化を体感できるよう、毎回さまざまなテーマに沿って学習を進めています。

(トゥールーズ市内校幼稚園クラスのテーマ学習についてはこちらの記事をご覧ください。)

今回は、そんなトゥールーズ市内校幼稚園クラスの授業の流れをご紹介します。

 

🔳出席、カレンダーとお天気チェック

授業開始後の毎回のルーティンです。お名前を呼んで出席を取り、その日の欠席者や出席人数を確認します。

また、カレンダーやお天気も毎週必ずチェックします。

 

季節の移ろいや日付・曜日を認識するだけでなく、「1日=ついたち」「9日=ここのか」といった日付の数え方や、

「雨=ざあざあ、ぽつぽつ…」「風=びゅうびゅう、そよそよ…」といったさまざまな表現に触れ、豊かな語彙や感覚の習得を目指します。

 

🔳歌や、その日のテーマへの導入 

日本語の手遊び歌や季節の童謡などを歌います。

ここでその日の授業のテーマにまつわる話題に触れることもあります。


↑ 「やきいもグーチーパー」を歌っています。秋といえば焼き芋ですよね。フランスのさつまいもは日本と少し違います。日本のさつまいもはどんな味かな?

 
↑ 「やさいのおなか」を読みました。野菜を切ったらどうなるかな〜?

 
↑ 「ぐりとぐらのおきゃくさま」を読みました。もうすぐクリスマス。みんなお家にツリーはもう飾ったかな?

 

🔳言葉の学習

ひらがな学習を始め、言葉にまつわるアクティビティを行います。

えんぴつの持ち方、運筆、点描写、ひらがな練習、言葉さがしなど、クラスにより、子どもたちの年齢や発達に適した学習内容を設定しています。

特に低年齢の子どもたちは、本格的に文字を書く練習に入る前に、文字を認識して読むことや、えんぴつを持つこと、えんぴつで線を描く練習を重ねることが大切です。

一方小学校に近づいている子どもたちは、基本的なかなの読み書きはもちろん、促音や濁音、拗音にも触れていきます。

その他にも、野菜や果物、文房具、衣類など「ある対象物」を見たり触ったりしながら、触感や重量、香りなどを言葉で描写するアクティビティを行ったり、サイコロの指示に従い身体を動かすゲームを取り入れるなど、さまざまな語彙表現に感覚的に触れることができるようにしています。

 
↑年中クラスの本日のひらがなは「ち」


↑「ち」がつく言葉をみんなで考えてみよう!


↑ 実際に書いてみよう!


↑ ひらがなタイルを並べ替え、言葉を作ろう!

 

🔳アクティビティ

その週のテーマについて扱うアクティビティは、子どもたち一番のお楽しみの時間です。

伝統行事や季節の話題、またその時々の子どもたちの興味関心に従って設定した「あるテーマ」について、絵本を読んだり、さまざまな角度から問いや話題を投げかけます。こうして自ら考え、手を動かす中で、子どもたちの自然な発話が生まれます。

最後は学習のまとめとして、テーマに沿った制作やロールプレイを行います。

限られた時間ではありますが、「ちぎる、貼る、穴に紐を通す、絵具を使う、折り紙を折る」など、さまざまな動きや技法、マテリアルを取り入れることを大切にしています。

また、時間があれば作った制作物について「どんなところが気に入っているか、どんなところをがんばったか」などひとりずつ発表します。一言でも一文でも、自分の意見や考えを日本語で発表する経験を重ねていくことが、子どもたちの自信につながります。

12月は、「季節」や「クリスマス」をテーマに学習を進めました。


↑ 「ぐりとぐらのおきゃくさま」を読んだ後に、クリスマスツリーを作りました。
 丸い紙やカラフルな紙をちぎって、のりでオーナメントを貼り付けます。

 

その他、下記は過去のアクティビティの一例です。

 
 墨汁とペイントで「春の桜」を表現しよう


 ひな祭りを知り、ひな人形を作ろう


  お月見って何?折り紙でうさぎを折り、お月見飾りを作ろう

  
 バランスのよい食事って何?学び、バランスのいい食事プレートを作ろう!

  
 季節の花を知り、色のにじみを楽しみ、コーヒーフィルターでお花を作ろう

  
 野菜を切るとどんな形?野菜スタンプのコットンバッグ



来年も、授業を通し、子どもたちが多くの経験や、「できた!」「わかった!」「楽しい!」という達成感を重ねていくことができるよう、最大限お手伝いできればと思います。

 ご興味を持った方は、ぜひ一度授業に遊びに来てくださいね。

 

みなさん、素敵なバカンスを!