2016年10月13~15日、ガロンヌ劇場(フランス・トゥールーズ)にて岡田利規氏作・演出による現代演劇『部屋に流れる時間の旅』が日本語 (フランス語字幕あり)で上演されます。ガロンヌ劇場様のご厚意により、トゥールーズ日仏協会会員の方にはこちらの公演を優遇入場料金の15ユーロ(通常24ユーロ)にてご鑑賞いただけます。
トゥールーズで演劇を日本語でお楽しみいただけるまたとない機会ですので、皆様お誘いあわせの上、ぜひお申し込みください。
お問い合わせ・お申し込み先
トゥールーズ日仏協会 会員様:
ガロンヌ劇場 Le théatre Garonneのチケット購入窓口まで、お電話にて直接お問合せ・お申込ください。
(チケットご購入手続き詳細につきまして、会員の皆様には別途メールにてご案内差し上げておりますので、そちらもご参照ください。)
公演内容に関しましては、当協会ホームページ内Spectacle de Toshiki Okada au théatre Garonneにてフランス語でもご確認いただけます。
トゥールーズ日仏協会 非会員様:
ガロンヌ劇場 Le théatre Garonneまで、直接お問合せ・お申込ください。
チェルフィッシュ『部屋に流れる時間の旅』トゥールーズ公演
作品名
『部屋に流れる時間の旅』(Time's Journey Through a Room)
上演言語
日本語 (フランス語字幕あり)
作品紹介
2011年の東日本大震災をきっかけに岡田利規の演劇観は「フィクション」の有効性を探求することへと舵を切り、社会の中の緊張感や断絶を寓話的に描いた「現在地」(2012年)と「地面と床」(2013年)を発表しました。『部屋に流れる時間の旅』では、ふたたび震災後の社会背景を主題としながらも、社会での断絶が生じる以前の個々人の心の葛藤や恣意的な感情をきわめて細密に見つめ、拡張し、これまでにない新たな表象を舞台上に立ち上げます。
震災直後の人々にわき起こった想いのなかには、哀しみや不安だけではなく「世の中が良くなる」という希望も混ざっていました。そのような未来への希みを持ったまま死を迎えた幽霊が紡ぐ純粋な希望の言葉に、もはや希望を持つことなど不可能に思える今を生き続ける生者は苛まれ、耳を塞ぎ目を背けたくなります。こうした不可視の心の葛藤や苦しみが、これまで以上に強度を増した岡田の言葉と俳優の身体を通して、現代美術家久門剛史による微細な気配のにじむ音・空間と緊密かつ多層的な関係を結び、まるで感情を聴き手に取ることができるかのような情景として表れ、観る者を揺さぶります。
言葉/身体/音/空間それぞれの精緻なアプローチが舞台上で一体となり迫るとき、観客それぞれに記憶や体験と向き合う時間がうねりをもって押し寄せることでしょう。
プロフィール
作・演出:岡田利規 Toshiki Okada
1973年 横浜生まれ。
演劇作家、小説家、チェルフィッチュ主宰。
桜美林大学、早稲田大学、近畿大学国際人文科学研究所/四谷アート・ステュディウムなどでのワークショップやレクチャー等、講師歴多数。
チェルフィッチュ chelfitsch
岡田利規が全作品の脚本と演出を務める演劇カンパニーとして1997年に設立。
同年『峡谷』(横浜相鉄本多劇場)が旗揚げ公演となり、以後横浜を中心に活動を続ける。07年5月ヨーロッパ・パフォーミングアーツ界の最重要フェスティバルと称されるKUNSTENFESTIVALDESARTS2007(ブリュッセル、ベルギー)にて『三月の5日間』が初めての国外進出を果たす。以降、HEBBEL AM UFER(ベルリン/ドイツ)、Salzburg Festival(ザルツブルグ、オーストリア)、Japan Society(ニューヨーク/アメリカ)、PUSH International Performing Arts Festival(バンクーバー、カナダ)などアジア、欧州、北米にて海外招聘多数。http://chelfitsch.net