さて、これまでにも何度かラベージュ幼稚園の授業の様子などをご紹介しましたが、今回はラベージュ幼稚園の授業が具体的にどのような方針のもと行われているかについてご紹介したいと思います。
ラベージュ校幼稚園クラスはさおり先生が担当されています。
現在ラベージュ幼稚園クラスは、人数の関係で年少・年中・年長合同クラスとなっていますが、さおり先生のアイディア・工夫により、クラス全員が楽しみながら、それでいてそれぞれのレベルで日本語能力を高められるような授業内容になっています。
■子供たちが飽きないような、バラエティに富む授業内容
幼稚園クラスでは挨拶から始まって絵本や紙芝居の読み聞かせ、歌やダンス、「落ちた落ちた」などの簡単なゲームや手遊び、そして絵カードや体を使いながらの言葉のお勉強、そしてひらがなの読み書きをしています。
■歌は月に1、2曲をワンフレーズごと、意味を理解させながら確実に
歌は毎月ごとに1,2曲決めて、同じ歌を一か月練習する形にしています。最初の週はワンフレーズごとに区切りながら、歌詞の意味を教えながらゆっくりゆっくりですが、最後の週になるとみんなすらすら歌詞を覚えて歌ってくれています。もともと振付のない歌の振付をするのは結構難しいですが、気が付くと子供たちのほうが間違えずに踊っていたりします。
■体を動かしながら言葉を覚える
言葉を覚えるのも、体を動かしながらだと子供たちはすんなり覚えていきます。上下右左など、みんなでジャンプをしながら覚えたり、色鬼をして日本語での色を覚えたり。
■どんなシチュエーションでも会話に重点を
幼稚園組は3歳から6歳までの年齢の子がいるので日本語レベルは結構まちまちです。でも、子供たちがみんなで褒めあいながら学んでいくのを見ると、すごくうれしくなります。例えば、ダンスをしているときに、「疲れてしまったー」という子がたまに出てきます。幼稚園児なのに、体力余ってるだろうに(笑)とも思いますが、ただ休憩するだけではもったいないのでみんなが踊ってるのを見てもらい、どうだったかあとで感想を聞きます。すると「〇〇ちゃんは一番高くジャンプした」とか「〇〇くんは手が大きく動いててよかった」なんて褒めてくれるんですよ。素晴らしいですよね。
■ひらがな習得が楽しくなるスタンプカードを導入
ひらがなのプリントも、毎回一枚ずつ。一緒に読みや書き順を勉強して、そのプリントが全部終わったら、それぞれのスタンプカードにスタンプを押していきます。進捗状況がすぐにわかるし、子供たちもスタンプが増えていくと達成感があります。
■「話す」「聞く」に重点を置いた授業
書くことが結構大好きな子もいて「もっと書きたい!」「宿題も欲しい」なんて子もいます。でも、ラベージュ幼稚園クラスではひらがなプリントをするのは15分弱程度。書き順や読み方を教えて、その文字のつく言葉なんかをみんなで考えて、各々プリント一枚くらいできる程度に抑えています。幼稚園の段階では「文字を書く」ことよりも、「話す」「聞く」基礎を育てることが大事だと考えるからです。
■日本語を使ってコミュニケーションをすることに重点を
私は幼稚園クラス、せっかくだから「みんなで日本語を使って何かをする」ことが大事かなと思っています。なので、みんなで歌を歌ったり、ダンスを踊ったり、子供たち同士で教えあったり、ゲームをして楽しんだり、というようなことに重きを置いています。
家族以外と日本語を使う機会というのはとても貴重だと思いますし、日本語を使ってお友達とコミュニケーションすることで、それが喜びや楽しい経験となり、日本語を好きになることに繋がると思うからです。なので、「椅子に座ってお勉強」という感じでは全くありません。これからもみんなで楽しく幼稚園クラスを盛り上げていきたいです。
さおり先生の授業、確かに年少さんから年長さんまで、飽きる暇もなく毎回思いっきり楽しんでいるようです。先生も大変ひょうきんな方で、子供たちの笑いのツボを抑えていて常に笑いが絶えません。お話を伺わせていただきましたさおり先生、ありがとうございました!